今回は熊本が誇る世界文化遺産である「三角西港」をご紹介していきたいと思います。
なんとなくレトロな街並みだな、と感じてたくらいの三角西港でしたが、一体なにがそんなにも貴重なのでしょうか。いろいろと調べてみました。
三角西港はどこにある?
三角西港は熊本県の天草に行くちょっと手前に位置しています。地図で見るとこのあたり
天草と言えば熊本の名ドライブスポットなので、その天草に行く途中にある三角西港は僕も何回か通ったことはありました。道の途中でいきなりレトロな空間が現れるので、気になっていた場所です。
三角西港は保存状態がすごい
756メートルにもおよぶ石積みの埠頭や水路、建造物などは築港後1世紀の歴史を持ちながら、今でもほとんど当時の状態のまま残されています。このように当時の都市計画がほとんど無傷のままで残っているのは全国的にも珍しく、国際的にも価値ある生きた港として、世界遺産の構成資産の1つと認定されました。
石積みの埠頭はオランダ人水理工師であるローエンホルスト・ムルドルが設計し、当時の日本では珍しい曲線を多用した埠頭の形となっています。もちろんこちらも当時のままの姿です。
三角西港は建造物がすごい
1887年に完成した三角西港には、今でも当時の建物がそのまま残っています。
こちらの旧高田回漕店は、荷役・乗客を扱う回船問屋の建物で、中も自由に入って見学することができます。
さっそくお邪魔してみましょう。
玄関を開けて中に入ると、そこには昔ながらの素晴らしい日本家屋が。
この埃っぽい匂いといい、古びた畳の香りといい、明治の情景が浮かび上がってくるではありませんか。いや、埃っぽさは関係ありませんね。
二階にも自由に行き来できます。ハシゴのような鋭角さを持つ階段も味があって素敵です。転げ落ちないように注意しながら登ります。
当時は1階部分が問屋、2階部分は宿として機能していたそうです。
サザエさん家もこれくらい広いのかなと思いを巡らせていました。
続いては、旧三角海運倉庫。
当時はこういった倉庫が埠頭沿いにたくさんあったそうです。その倉庫ですが、今は中がカフェとして営業されています。
テラス席もあり、
中は天井が高いので開放感のあるカフェです。
どんどんいきますよ。続いては簡易裁判所です。
ここも自由に中に入ることができます。せっかくなので行ってみたいと思います。
ここ間違いなく夜に来たら小便ちびります。なんというか、金田一少年の事件簿で事件が起こりそうな雰囲気です。
まあ、ただの裁判所だし、それも簡易裁判所だし、と自分に言い聞かせて中を散策してみます。ちなみに観光客だれもいなかったので一人ぼっちです。
ここが裁判長の席ですね。
どんな裁判がここで行われていたのでしょうか。簡易裁判所なので、お金の貸し借り関係とかですかね。
昼とはいえ、なかなか雰囲気のある場所でした。
続いてはホテルの「浦島屋」です。
その昔、熊本にも東京のような立派なホテルを造りたい、という思いで建設されたそうです。東京に負けんばいという姿は今も昔も変わらないものですね。ちなみにこちらは当時の設計図を基に再建された建物になります。
まとめ
日本の近代化への道を担ってきた三角西港を今回はお届けしてきました。
山を削って一から港に作り変えられた三角西港は、街全体が世界遺産になっているのが大きな特徴の1つです。港として現役で使われた年数が少なかったために、今でも当時の原型を残しているので、明治時代の風を感じることができる貴重な観光地です。次回は三角西港とともに世界遺産に登録された炭鉱である「万田坑」をご紹介します。