こんにちは!ヒックこと矢野っちです!
今回は長くなるので前編と後編に分けてお届けします!
「マーケティングオートメーション」
「グロースハック」
マーケティング・販売促進に携わる方ならよく耳にしたことがあると思います。
前編では「マーケティングオートメーション」とECサイトについて考えてみます。
マーケティングオートメーションとは
顧客の行動データや行動パターンなどから「個別の顧客と個別の最適なコミュニケーションをとる」デジタルマーケティングのことです。
「個別の顧客と個別の最適なコミュニケーションをとる」と強調したようにマスマーケティングとは全く違います。
十人十色と言いますが、本来10人の顧客がいたら10の施策を持ってして最適なコミュニケーションをとったほうがいいです。
しかし規模にもよりますが、それをやっていたら日が暮れるどころの騒ぎじゃありません。
部分最適かもしれませんが全体最適にはなりません。
もともとBtoB分野で多く活用されているものでしたが、インターネットショッピングが普通になり、ニーズも多様化してきた昨今ではBtoCが主であるECサイトにおいてもその必要性が増してきました。
ECサイトでのオートメーション
すでにオートメーションはECサイトでも数々のサービスが利用されています。
在庫連動を複数サイトで行うネクストエンジンやサバスタ。
またCRMではステップメール等を自動配信するBenchmark。
これらは主に業務効率化が目的で導入されているケースが多いです。
しかしこれらがオートメーション化している領域はマーケティングや販売促進のためのデータ蓄積や機能を十分になっており、ECサイト運営で各業務領域を横断してマーケティングオートメーションが主流になると予想します。
例えばネクストエンジンで蓄積した顧客データはマーケティングや販売促進に非常に重要なデータではないですか?
ECサイトでのマーケティングオートメーション
前述のとおりBtoBで活用されることが多いマーケティングオートメーション。
ECサイトでも十分に活用できる気がしませんか?
単純にBtoBでのモデルをそのままというわけにはいかなさそうですが、ECサイトや商品などによって自社をしっかりと分析すれば単に業務効率だけでない活用が見えてきます。
■マーケティングオートメーションが重要な理由
1.優秀な人材確保をしなくて済む
優秀なマーケッターやプロモーター、バイヤー またはそのチームがECサイトの売上をになっているケースがほとんどです。
しかしそんな人材は豊富に存在するわけではありません。
マーケティングオートメーションをうまくECサイト運営に導入できればオートメーション化された領域はもちろん、それ以外も運営すべき方向性や実施すべきアクションが必然と見えてきます。
優秀な人材頼りのECサイト運営から完全には脱却することはできません。その人材がいたほうが間違いなくいいです。が、その人材が不在でも一定のレベルまで向上が期待できます。
2.ECサイト運営の質の向上
ECサイト運営における人材は専門的になるケースもあるが多岐にわたる業務をこなすことが多いです。
また専門化できていても業務量からやるべきことの全てを遂行することができないことが多いです。
マーケティングオートメーションを導入することで各分野の専門的人材がそのシステムを活用し、ルールを作ることができます。これにより今まで遂行できなかった業務が可能になります。
例えばシーズン商品で、予約割で早く買う傾向のある人、実需要期にしか買わない人、シーズンオフになりかけのセール期にしか買わない人をセグメントしそれぞれのタイミングでメールを自動配信したり、検索エンジンのトレンドワードと関連する商品でCVRが高い商品があった場合にそのキーワードでその商品にリスティングを自動で追加したりなど。
質の高いアクセスの規模を大きくするサイト運営ができ、より高度なECサイト運営ができるようになります。
3.ROIを高める
例えば土曜日のスマホのコンバージョンが高く、日曜日はPCのコンバージョンが高いサイトで、楽天のCPC広告やアドワーズをその都度変えることを継続するのはなかなか難しいです・・・・
マーケディングオートメーションをすることでそれらは全て自動化されます。
つまり最適な投資が実現でき収益性を高めるのです。
4. 1対1の顧客フォローが可能に
前述のとおり、行動履歴や行動パターン、閲覧履歴など様々なセグメントによる1対Nから1対1により近づいたコミュニケーションが実現できます。
例えばある商品の平均リピート期間が3ヶ月だから購入後3ヶ月後にメールを配信、ではなく、それぞれのユーザーのリピート頻度に合わせて個別で配信するなどが可能になります。
マーケティングオートメーション化を成功させる
マーケティングオートメーションは単に導入すれば良いというものではありません。
逆に単に導入するほうが難しいですね!
ECサイトや商品によって導入すべきものは全く異なります。
導入すべきフローを考えてみました。
1.過去のデータ分析と今の業務を整理
⇒よくリピートするのか?どんな経路の流入か?
⇒目標達成に向けてどんな業務を行っているか?
⇒やるべきだけどできてない業務はないか?
まず「自分」を把握し、どんな方向へ進むべきかしっかり決定します。
2.すべきことを各分野で探し出す
⇒例)リピートを強化すべきだからCRMツールを導入する
おろそかになっていたり、過剰に時間がとられていたり、実現不可能な業務を各分野の専門の人材が発見し、それを補うサービスを選定し導入する
3.各分野でルールを設定する
⇒例)初回購入から2ヶ月リピートが無い場合はクーポンをメール
実際にオートメーションする内容を設定する。最も好ましいのは各分野で導入した別々のサービスで同じ定義付けを行い、部分最適から全体最適をはかる。
別途システム開発が必要になったりするため、導入期は各分野の部分最適からスタートすることでいいかと思います。
4.効果検証を常に行う
⇒欲しい結果を可視化し、異常値に対して敏感に
日々重要なデータを観測し、特に異常値が重要です。
何かの施策と重なったときにオートメーション化したルールの効果が高まることが発見できれば新たなルールが設定でき、さらなる効果を上げることができます。
5.新しいルールを常に考え設定する
マーケティングオートメーションに限らないことですが、変化の激しい業界のため昨日の正解が今日の不正解なんてことは普通にあることです。
効果検証データから常に改善とイノベーションを楽しみながら発見・創造し、それをオートメーションのルールに反映し、効果を上げていきましょう。
オートメーションは単に時間を減らすのではなく、このような創造的な時間を生み出すものでもあります。
マーケティングオートメーションの導入
ではどんなマーケティングオートメーションのサービスを導入したらいいのか?
本来は各分野で導入した別々のサービスで同じ定義付けを行い、全体最適をはかることです。
例えば受注システムもメール配信機能も何が大切かを定義づけできていれば相互にデータを交換しあい、より高い効果を生み出します。
しかし前述のとおり、別々のサービスを連携させるにはシステム開発等複雑なため、まずは部分最適を行い、全体最適にするためにそこは人的に連携させることから始めるのがいいかと思います。
ではどんなマーケティングオートメーションサービスがあるのか、簡単ですがご紹介いたします!
IBM
IBMが提供する規模が大きいナショナルクライアント向けサービス。
一応載せておきます!
オムニチャネルの観点から顧客視点を重要視し、そのために必要なソリューションの買収にも強化しています。
最近ではSilverpopの買収など。
カスタマーアナリティクスから自社メディアプラットフォーム、パーソナライズ、デバイス最適化などあらゆるマーケティングツールが揃ったサービスを提供しています。
SAS
IBMなど追随しているのがSASです。
元々高度なマーケティング分析を強みとしていましたが、買収によりマーケティングオートメーションサービスを強化。
「SAS Marketing Automation」は高度な分析とカスタマイズもできるマーケティングオートメーションサービスです。
分析機能を強化したい場合はこれがオススメです。
Adobe
WEB制作ツールといえば、のAdobeのマーケティングオートメーションサービスです。
こちらも買収で得た「SiteCatalyst」という分析ツールを元にクリエイティブ分野からのマーケティング支援へと事業拡大を進めています。
マーケターが把握、または持つべき能力を補うツールが織り込まれており、様々な業種で対応できるようになっています。
SATORI
WEBの販促ツールで主な、「WEBサイト」「メルマガ」「広告」に注力したSATORI。
前述までのサービスは比較的敷居が高かったものですが、ここから比較的導入しやすいサービスをご紹介します!
たとえばリアルタイムに閲覧ユーザーにポップアップでメッセージ等を表示させたり、ステップメールのルールを設定でき、自動配信する機能等があります。
リピートが見込める商材を扱うECサイトが有効で、現状だと新規獲得よりリピート促進に向いたサービスかと思います。
SHOPNOTE
ECサイト向けの解析・分析に長けたSHOPNOTE。
比較的簡単にアクセス解析ができ、またABテスト等の効果測定も行いやすいです。
どちらかというと新規獲得をメインに推し進めるサイト向けのサービスです。
カスタマーリングス
CRMに強いプラスアルファコンサルティングが提供するカスタマーリングス。
サービス内容はやはりセグメントと自動化によるメルマガマーケティングに長けています。
CRMをメルマガにて行う、またメルマガマーケティングを強化するECサイトにおすすめです。
LTV-Innovation
最後にご紹介するのはLTV-Innovationのワクワクシリーズ。
その名のとおりLTV(ライフタイムバリュー)をもとにリピート促進向きのサービスを展開しています。
導入企業一覧をみても一目瞭然ですが、リピート型単品通販のECサイトが向いています。
また、リピート型通販でその促進活動が比較的困難なアパレル業種も導入が多く、その分析や販促に効果があるうようです!
まとめ
今までは主に業務効率を上げるために行われてきたECサイトのオートメーション。
競争が激しく、またユーザーのネットショッピング慣れからサービスはより細かく提供していかなければなりません。
それを圧倒的に補助するのがマーケティングオートメーションです。
従来の業務効率UPだけの効果ではなく、売上や収益性の改善が大きく見込めます。
現状それを提供するサービスはメルマガや分析の業務領域や自動化の度合いや規模でセグメントされています。
今後もマーケティングオートメーションを提供するサービスは基本的にはやはりセグメントしたサービスを提供する方向に行くと思います。
ただし いちECサイト側からすると業務ごとに別のマーケティングオートメーションサービスを利用し、異なるインターフェースを使うのは非効率ですので、それらをつなぐ仕組みや提携も考えられます。
しかしやはり単純なワンストップで利用したいので、ECサイト向けで幅広く網羅したマーケティングオートメーションサービスが数サービス力をつけていき、商材ごとにどれにするのがいいか?といった流れになるかと思います。
ただし現時点でも一部の業務領域でマーケティングオートメーションを進め、大きな結果を出すことは十分可能です。
御社にあったマーケティングオートメーションを行っていきましょう!!
次回は「グロースハック」についてマーケティングオートメーションとどう相乗効果を生むのかを考えながらお伝えできればと思います!
今日はここまでです!!!
後編はコチラ!!!
次回もお楽しみに!!!