こんにちは、エフ編集部です。
つい先日、昨年(2019年)のネットショッピングの統計が発表されました。
題して、
毎年、経済産業省が発表している数字です。上記リンク先に参照元のデータがあります。
みなさまはもうご覧になりましたでしょうか。
ECに携わる方々にとっては毎年気になる数字だと思います。
日本のECはどれくらいのスピードで成長しているのか、そしてこの数字から見える未来とは。1つ1つを分かりやすく紐解いていきたいと思います。
前年比 7.65%増。ここ数年に比べると日本のEC成長率は伸び悩みか
さて、まずは気になるBtoCの数字を見ていきましょう。
発表されている統計では「BtoC」と「BtoB」で分かれています。
一般消費者向けの、いわゆるショッピングモールや自社ECサイトの数字は「B to C」がメインとなりますので、こちらの数字に注目してみたいと思います。
令和元年の日本国内の BtoC(消費者向け電子商取引)市場規模は、19.4 兆 円(前年 18.0 兆円、前年比 7.65%増)に拡大しています。
またEC 化率は、前年比 0.54 ポイント増の 6.76%。
上記画像内の棒グラフを見ても分かりますが、日本のEC市場は順調に右肩上がりで伸びています。
ただ、直近4年間の推移を見てみると、2019年は伸び率が鈍化しています。
■直近4年のBtoC伸び率
2017→2018 +8.9%
2016→2017 +9.0%
2015→2016 +9.8%
2014→2015 +7.6%
国全体の景気に左右されているのではないかと、GDPの伸び率も比較して見てみますが、2019年のGDPが特筆して低くなっているということもありません。
(※2019年の日本のGDP→557,715.70、2018年の日本のGDP→548,998.35、2017年の日本のGDP→545,103.70)
「サービス系分野」の伸び率低下がペースダウンの要因か
さて、またまた難しそうな表が出てきましたが、これは分野ごとの数字です。
物販系分野とか、サービス系分野とか・・・一体なに?という方もご安心ください。
「物販系分野」が食品から家電、化粧品など、普段の生活で購入しているようなモノの通販です。
「サービス系分野」は旅行や飲食、チケット販売など、サービスを予約する際のECのことです。
さらに「デジタル系分野」は電子書籍や音楽ダウンロード、ゲームのダウンロードなどを指します。
それを踏まえて、この表を昨年度のものと比べてみると、
・物販系分野 8.09% (2018年は8.12%)
・サービス系分野 7.82% (2018年は11.59%) ←成長率が2018年よりも明らかに鈍化
・デジタル系分野 5.11% (2018年は4.64%)
となり、サービス系分野の伸びが2018年に比べるとペースダウンしていることが分かります。
さらに深いところまで行きますよ〜!
これが「サービス系分野」の何がどう推移したかの表になります。
詳しく見てみると、
「旅行サービス」が鈍化してますがな(前年比4.8%増、2018年は+10%もあった)
サービス系分野の中でも、半数以上の約54%を占める「旅行サービス」の成長率低下こそが、今回のEC市場規模推移がペースダウンしている要因だと言えそうです。
逆に「飲食サービス」や「チケット販売」、「理美容サービス」などのデジタルシフトによる市場規模の拡大は加速しており、この辺りにECの未来が見えてくるかもしれません。
私たちが普段から慣れ親しんでいる「物販系」のECは一定の成長率を保っており、その伸び率はほとんど変わっていません。順調とも言えそうです。
中国からの越境ECも落ち着いた?
また、この報告書では「日本・アメリカ・中国」3カ国の越境ECの額についても触れられています。
中国消費者による日本事業者からの越境 EC 購入額は 1 兆 6,558 億円(前年比 7.9%増)、米国事業者からの越境 EC 購入額は 2 兆 94 億円(前年比 16.3%増)となっており、
前年比 18.2%で増えていた昨年(2018年)と比べると中国からの購買が減っています。(2018年は1 兆 5,345 億円で前年比+18.2%だった)
米国事業者からの越境 EC 購入額は 順調に増加しています。(2018年は1 兆 7,278 億円で前年比 18.5%増だった)
まとめ
というわけで、2019年の最新値で日本のEC成長率について振り返ってみました。
2020年はコロナの影響で昨年までとは比較にならないデータが予測されます。
全体の規模感を持って、自社ECの方向性や可能性を探ることも時には必要かもしれません。
また来年の数字も解説していきたいと思いますので、乞うご期待ください。